中部近畿産業保安監督部電力安全課より平成31年2月に低圧太陽光発電設備や、
小形風力発電設備を購入される皆様へ「電気事業法上の義務」についてのアナウンスがありました。
発電設備を所有する場合は十分留意していただきますようお願い致します。
低圧太陽光発電設備や、小形風力発電設備を購入される皆様へ
~「電気事業法上の義務」をご存じですか?~
平成31年2月21日
最近、「利回り○%」、「メンテナンスフリー」を謳い、「低圧太陽光発電所」や「小形風力発電所付き不動産」が販売されておりますが、設備購入に伴って太陽光発電設備や風力発電設備の所有者となられた方には、電気事業法に基づく所有者として、設備の安全性に関する責任が発生することとなります。販売代理店や施工業者などに任せきりにせず、所有者自身が電気事業法を十分にご理解いただき、これを守って発電設備を稼働していただきますようお願い致します。
なお、電気事業法は、電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法(以下「FIT法」という。)とは別の法律であり、発電設備を所有する場合は、FIT法に基づく認定の有無にかかわらず、守っていただく義務のある法律です。
具体的には、小出力発電設備(太陽光50kW未満、風力20kW未満)の所有者は、電気主任技術者の選任や保安規程の届出が免除されますが、所有する発電設備を、経済産業省令で定める技術基準(以下「技術基準」という。)に適合させる義務※1があり、当省職員による立入検査を受ける※2ことがあります。立入検査の結果などから技術基準に適合していないことが判明した場合には、所有者の方には、自主的に補修等を行っていただくこととなります。また、設備の状態によっては、稼働の一時停止をお願いすることがあります。もし、補修等を行わないまま稼働を継続した場合、電気事業法に基づく「技術基準適合命令」※3が発令され、その事実が当省のホームページなどで公表されることとなります。
なお、技術基準に適合していない場合は、FIT法における認定が取り消されることもありますので、十分ご注意ください。
発電設備の購入に当たっては、電気事業法を十分に理解した上で、購入元から次の資料等を入手し、その内容の説明を受け、技術基準に適合した安全な発電設備であることを確認してください。
- ・設計図書
- ・太陽電池モジュール仕様書
- ・支持物の構造図及び強度計算書
- ・施工記録
- ・地質調査結果、載荷試験(杭、平板)結果
- ・設備の配置図
- ・電気設備の配線図(単線結線図)
その上で現地調査を行い、図面類や配線図等に従った施工が行われていることを確認し、設備が安全に稼働していることも確認してください。また、設備の安全を保つため、稼働後も現地の状況をご自身で確認いただき、適切な管理計画を立案・実施していただきますようお願いします。例えば、植物の繁茂などは、太陽電池パネル上に常時日陰を作り、太陽電池パネルの故障を引き起こすことがあります。こうした植物の繁茂を抑制するために有効とされる、防草シートも適切な管理が必要です。
小出力発電設備は、出力が小さくても電気を作る『発電設備』です。メンテナンスが不十分な状態で稼働させると、設備の損壊や漏電等により、近隣住民の方等に大きな被害を及ぼす可能性もあります。そのようなことが起きないように設備を設置・管理する責任は、発電設備の施工業者や設備メーカー等ではなく、所有者にあることを改めてご認識いただきますようよろしくお願い致します。
以 上
- ※1 電気事業法第56条第2項(同法第39条第2項第1~2号を準用)→主務省令 電気設備に関する技術基準を定める省令 発電用風力設備に関する技術基準を定める省令 等
- ※2 電気事業法第107条第4項 ※3 電気事業法第56条第1項
出典:中部近畿産業保安監督部近畿支部HP