オフィスビルや店舗では、電力消費率の約50%の割合を空調設備が占めていると言われています。空調は営業終了後も稼動していることが多く、また、従業員の体感温度により温度設定されているので、最もコストコントロールが行き届きにくく、経費圧迫の大きな要因となっています。
- 設定温度を控えめにしましょう。
- 例えば夏場の設定温度を27℃から28℃にすると約5〜7%、冬場の設定温度を21℃から20℃にすると約2〜3%の省エネになり、1℃変えるだけでもこれだけの効果が期待できます。
- 使用環境にあわせて、デマンド設定等で消費電力を抑えましょう。
- 最大デマンドを抑制することで電気の基本料金の低減につながります。
- 使用していないエリアは空調を停止しましょう。
- 必要なエリア、必要な時間に空調し、ムダな運転をなくしましょう。全体の温度を同調させてしまうより、限られたエリアのみに空調を使用すれば、必要なエネルギーを必要な時に必要な量だけ使う事ができます。また、長時間つかわない時はプラグを抜きましょう。
- 外気取入量の適正化をはかり、空調負荷・動力を低減しましょう。
- 過剰な外気の取り入れは空調負荷となります。適正な量の外気を取り入れましょう。
- カーテンやブラインドを活用して、空調負荷を低減しましょう。
- カーテンやブラインドで夏の日射をさえぎったり、暖房時の熱が逃げるのを防ぎましょう。冷房時に、カーテンやブラインド、すだれなどで直射日光を防ぐと、省エネ効果が約5%あります。
- 室外機への日射を防止して、空調効率を向上させましょう。
- 室外機周辺の温度が高くなると冷房効率が低下します。日射をさえぎると温度上昇の防止に効果的です。
- 扇風機やサーキュレーターを併用して風向きを上手に調整しましょう。
- 暖かい空気は上に、冷たい空気は下に流れる特性があり、冷暖房の効き具合が偏りがちになる場合もあります。
扇風機やサーキュレーターを併用すれば、夏は風が体にあたると涼しく感じ、逆に冬は暖まった空気を循環させることができます。
- フィルターや熱交換器をこまめに清掃しましょう。
- エアフィルターの清掃で風の流れを良くする事で、消費電力が約5%削減できる事があります。専門家でなければ改善できない項目もありますが、室外機、室内機のアルミフィンの洗浄により、空気の熱交換効率を向上させる事ができ、その運転効率の向上で消費電力が約10%削減することもできます。省エネのエアコンを設置していても、フィルターの掃除不足でエアコンの性能が存分に発揮できなかったり、電気代の無駄づかいとなっては意味がありません。
企業において、業種や建物の種類によって電力の消費割合は異なりますが、生産活動への影響を考慮すると、他の電力消費よりは取り組みやすく、かつ省エネ効果が得やすいのがエアコンの省エネだと言えます。設備の投資改善もありますが、まずは無理のない範囲で実行できる対策から実践してみましょう!