建築物の断熱性や景観の向上などを目的として、屋根や屋上に植物を植え緑化することを屋上緑化、
建物の外壁を緑化することを壁面緑化といいます。
屋上緑化・壁面緑化をすると環境にやさしいだけでなく、さまざまなメリットがあります。
屋上緑化・壁面緑化をするにあたり最大の効果は、断熱効果による省エネ効果です。屋上緑化の場合は、ビルの屋上や戸建て住宅の屋根に樹木や植物を植え緑化すると、それらがカバーの役目を果たし太陽熱(直射日光)から遮るために建物への断熱効率があがり、夏期には冷房効率が改善され消費電力を押さえることが可能になります。また、壁面緑化を設置すると、経年を経て、建物は緑のカーテンで覆われます。室内の温度上昇が抑えられることで、冷房機器の電気代を下げることに繋がります。これにより冷房経費の省エネ効果に最も貢献できます。
-
ヒートアイランドの防止効果
- 都市部では道路など地面の大部分がアスファルトやコンクリートで覆われているため、熱がこもりやすく、夜になっても地面にこもった熱のために気温が下がりづらいです。それに伴いエアコンの排熱、自動車からの排熱が影響し、気温が下がらなく熱帯夜が続くことがあります。屋上緑化をおこなうと植物からの蒸散作用により周辺の気温を下げる効果があります。
-
建築物の保護効果
- 屋上緑化・壁面緑化には、酸性雨や紫外線による防水層、壁面などの劣化軽減効果が得られ、これにより建築物の耐久性が向上します。屋上面の温度差は、夏季と冬季では最大70℃程度になり、直接外気にさらされることによる露出面の劣化スピードは速くなります。屋上緑化は温度差を軽減し、劣化スピードを抑制する効果があり、亀裂や中性化などを抑えることで、建築物の耐久性を向上させライフサイクルコスト低減に効果があります。
-
大気の浄化作用
- 植物は光合成のため二酸化炭素を吸収しますが、それらの効果で大気の浄化作用があります。省エネによる二酸化炭素削減効果もあります。
-
癒し効果
- 緑色には精神を安定させ、ストレスの解消や疲労回復効果があると言われています。緑化することで視界に緑色が入る機会が多くなり、癒しを得る回数も増えます。
ここ数年で「屋上緑化」という言葉が世間に浸透されました。しかし、言葉は知っているものの「見たことある」「あの建物が屋上緑化」「屋上緑化をやっている」という話を聞くことは少ないと思います。
屋上緑化・壁面緑化の効果は、都市の環境改善効果だけでなく、建築物の保護効果や人間の心理に与える効果などさまざまな効果があります。屋上緑化に関する条例や法律も定められており、地上の緑化面積を屋上に移すことで地上敷地内のスペースをより一層有効活用することが出来るなど導入によって様々なメリットを得られます。